お正月から宝塚大劇場では月組公演。
新トップコンビ、月城かなとさん、海乃美月さんの大劇場お披露目公演ですね。
お芝居は、綾瀬はるかさん、坂口健太郎さん主演の映画『今夜、ロマンス劇場で』が原作。
小柳奈穂子先生の脚本・演出です。
原作の映画は見たことがなく、予習なしにて観に行きました。
舞台は日本。月城かなとさんは、映画の助監督である牧野健司を演じます。
海乃美月さんはモノクロ映画のヒロイン、美雪を演じます。
ストーリーはなかなかにぶっ飛んでいて、
健司が映画館「ロマンス劇場」で、いつも見ているお気に入りのモノクロ映画があり、そこに登場するお転婆な王女様が美雪。
美雪に憧れている健司が、ある日いつものように映画館で映画を見ていると、美雪が外の世界(現実世界)に出てきてしまうというもの。
美雪は王女様なので、健司のことを「しもべ」と呼んだり、言葉遣いや態度もはちゃめちゃ。
物語の登場人物が現実に現れたら、ああいう感じになるのかな?
ドレスから着替えた服装も結構インパクトある服ばかりでした。
スクリーンを使っての演出は年々増えていきますね。
映画の中の美雪、海乃さんの背中が、ダンサーの背中というか強そうな背中でした(^◇^;)
白黒のドレス、キレイですね。
※映画は全く知らないので、公演のみの感想です。
月城さんはなんというか、健司が普通に普通の役なので、途中、助監督仲間の役の風間柚乃さんが歌う場面では、存在が消えていたように見えたけど。
老年期のお芝居では泣けた。ラストシーンがいちばん良い芝居だったかも。
海乃さんは、こんなにぽんぽんセリフを言う役のイメージがなかったので、新鮮でした。
不思議なお役ですけどね。「家来にしてやるぞ」みたいな感じのお役です。
鳳月杏さんは面白かったです。
この人は面白いのも行けますね。
暁千星さんは、オリジナルの役らしく、今までの暁さんにはなかった感じ。
襖を開けて、あの扮装で立っていたらビックリする〜。
◆
ドタバタ王女様にふりまわされるコメディかなと思いきや、ラストシーンで泣かされてしまいましたー。
結末は映画と違うようですが。
ネタバレになりますが、
タイムスリップものとか、異世界ものとか最近よくありますが、なんとなく過去を変えてはならないとか、未来は変えられないみたいな考えが自分のなかにあるので、
こういう現実に居ない人が存在するって、どうなの?と思ったり。
あれ、そう言えば、この前のクロノスケの芝居でも、未来を変えようとして、キラが何度も時を戻していたとか言っていたな…。
途中しばしば脱力状態に入ったりしますが、睡魔と格闘する時間は少なかったし、最後は泣けたし、キラキラした雰囲気で幕となります。
こういう話で泣くなんて…と自分にツッコミを入れながら(^_^;)
モノクロ映画の中に生きていた美雪が、外の世界で色を知る驚きと感動には、心動かされますね。
ラストシーンでは美雪のドレスが黄色に変わっていたり、三獣士の衣裳にも色が入っていたり。この辺にも不思議と涙があふれました。
お正月から明るい話で、ハッピーエンド。
人の温もりに触れると消えてしまうという縛りのもと、何年にもわたり、健司とともに歩いた美雪。
現実世界の人間ではないため、美雪は歳を取らないんです。いやはや。
健司と美雪の心の結びつきとか、美しい世界観かなと思います。